ACSL、福島県南相馬市で実施のエリア単位でのレベル4飛行配送実証に機体提供
- ACSLは、イームズロボティクス株式会社が「国家戦略特区新技術実装連携“絆”特区」の福島県南相馬市にて実施するエリア単位でのドローンレベル4飛行配送実証に「PF2-CAT3」を提供
- PF2-CAT3は第一種型式認証を国内で唯一取得している機体で、複数のレベル4飛行実証実験での使用実績
- エリア単位でのレベル4飛行により、地域に点在する物流需要に応える低コストかつ持続可能な物流ネットワークの構築を目指す
株式会社ACSL(本社:東京都江戸川区、代表取締役Co-CEO:早川研介・代表取締役Co-CEO:寺山昇志、以下、ACSL)は、イームズロボティクス株式会社が2025年12月9日に福島県南相馬市鹿島区にて実施した、エリア単位での許可・承認を受けたドローンのレベル4飛行(有人地帯における目視外飛行)による荷物配送・集荷の実証実験(以下、本実証)に、第一種型式認証取得機体「PF2-CAT3」を提供いたしましたので、お知らせいたします。
実証の様子―PF2-CAT3
実証の様子―地上局
■PF2-CAT3について
PF2-CAT3(正式名称:ACSL式PF2-CAT3型)はレベル4飛行に対応すべく開発された機体で、2023年3月に日本で初めて第一種型式認証を取得しました。
型式認証制度とは、国土交通省が航空法に基づき、特定飛行に資することを目的とする型式の無人航空機の強度、構造及び性能について、設計及び製造過程が安全基準及び均一性基準に適合するか検査し、安全性と均一性を確保するための認証制度です。航空法等の改正によるレベル4飛行の解禁に合わせて2022年12月より開始されました。第一種型式認証を受けた型式の無人航空機は、レベル4飛行の要件である第一種機体認証の検査の一部が省略されます。
PF2-CAT3は国内初の第一種型式認証取得機種として、ドローン配送の社会実装推進に資する複数の国内のレベル4飛行実証実験に用いられています。
※レベル4飛行について
ドローンの目視外飛行は、操縦者が直接機体を視認できない状態での運用を指し、飛行環境に応じて分類されます。無人地帯での目視外飛行は「レベル3飛行」、有人地帯での目視外飛行は「レベル4飛行」とされており、レベル4飛行は2022年12月の航空法等の改正により新たに解禁されました。
レベル3飛行は、山間部や離島間の海上など、飛行可能なエリアに制限がある一方で、レベル4飛行の実現により、市街地でのドローン配送や施設点検など、より多様な用途への展開が可能となります。これにより、ドローンの社会実装が加速し、利便性や効率性の向上が期待されています。
PF2-CAT3
■本実証の概要
本実証は、内閣府が「国家戦略特区新技術実装連携“絆”特区」として定める長崎県・福島県を対象とした「令和7年度 先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」の一環として実施され、ACSLはレベル4飛行に対応した機体「PF2-CAT3」の提供と運用を担いました。
南相馬市を含む被災12市町村では、震災以降、物流事業者や小売店の撤退により、日常生活に必要な物資の調達が困難な地域が依然として存在しています。避難指示解除後に住民が戻りつつあるものの、物流・商業サービスの密度は震災前と比べて低く、生活再建や帰還の促進における大きな課題となっています。
こうした中、地域の市場規模が小さいために既存の物流インフラを再構築することは収益的に難しく、各事業者単独でのサービス再開は困難な状況にあります。一方で、地域に点在する物流需要を横断的に取りまとめ、無人ソリューション(ドローン)を活用することで、低コストかつ持続可能な物流ネットワークの維持が期待されています。
さらに、国道・鉄道・高速道路・住宅地上空での運航配送の実現を視野に入れ、被災地発の新たな物流・モビリティモデルとして、全国の過疎化地域にも展開可能な持続的地域物流の社会実装モデルを提示することを目的としています。
ACSLは、日本のドローン業界をリードしていくメーカーとして、今後も物流分野におけるドローンの社会実装を通じた「持続可能な物流」の実現に向けて機体開発や運用支援等の取り組みを進めてまいります。
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